1月5日 令和四年 小寒 去年今年(こぞことし) 門松は一年塚 小寒_去年今年(こぞことし)、年が明け、寒の入りとなった。 住まうマンションの玄関には一対の門松が飾られている。 毎年、この門松を見るたびに、 門松は 冥土の旅の...
1月20日 令和四年 大寒 違和感 読後感想 大寒—二十四節気では、本来、一年の最後の節気である。 ここから「三寒四温」、わずかな歩幅で一歩一歩春に近づいてゆく。 東向きの我が部屋も、晴れた日の午前中は暖かい。 樹木の枝の小さな...
2月4日 令和四年 立春 美味いもんと臭いもん 粽司 川端道喜 立春—旧暦ではこの日が元旦・新年に当たる。 立春・元旦の前日である節分は、本来、大晦日の行事であった。 新年を寿ぐ、めでたい菓子に〈花びら餅〉がある。 この菓子は...
2月19日 令和四年 雨水 千年菓子 ひとり、食品売場でブツブツ 雨水_この時候は、雪が溶けて〈雪汁/ゆきじる>となり流れて山に滋養を与え、また、早春の暖かい雨が降り出してこれまた山を元気にするとある。 〈雪消(げ)の水〉という...
3月5日 令和四年 啓蟄 元禄若衆〝虎の巻〟 蠢(うごめ)く 啓蟄—草木山川国土の動植物が蠢(うごめ)き出す候。 春に虫二つで成り立つ〝蠢〟という文字は、春の訪れとともに地中から這い出してきた虫が活動を始めるという、まさにこの...
3月21日 令和四年 春分 青山路地裏奇譚 啼き声 春分_お日様が真東から上がり、真西に落ちる。 この季節になると、種々の動物が発情期・繁殖期を迎える。 発情して〝盛り〟がついた猫が、あの独特な啼き声を撒き散らすのが春である。 ...
4月5日 令和四年 清明 咲くやこの花 春の女神・佐保姫 清明_草木山川国土が清らかに明るく、浄福を感じる山紫水明の時候となった。 古来、佐保姫は春の女神とされている。 平城京の頃、人は、京の東・佐保山あたりを越えて春はやって...
4月20日 令和四年 穀雨 リビング・ウィル Living Will 春雷轟く 穀雨_穀物を潤す雨が降り、やがて八十八夜を迎える。 この時期の雨の名には色々なものがある。 穀物を育む雨を〝瑞(=めでたい)雨〟「瑞雨/ずいう」 草...
5月5日 令和四年 立夏 ふたたびの画学生 めでたき陽数 立夏_爽やかなる夏の気配が立ち、漂い始める時候である。 立春(今年は二月四日)から八十八日が過ぎた五月二日が「八十八夜」であった。 八十八夜は、霜が降り農作物に被害を及...
5月21日 令和四年 小満 〝型〟があっての〝型破り〟 更衣 小満_山、新緑に萌え満ち満ちて草木山川に生命力が溢れる時候である。 この小満の末候は〈麦秋至(ばくしゅういたる)〉、文字通り麦がたわわに実る時となる。 この時分から、...
6月6日 令和四年 芒種 ああ、〈女について〉 道徳は風 芒種_麦秋の時期を迎え、黄金色の麦の穂の表面には細い針のような芒(のぎ)の姿を確認できる。 【芒】は、白川静『字通』によれば、「艸の耑(たん・はし)なり」とあり、穂の先...
6月21日 令和四年 夏至 夏の夜の愚痴 夏は短夜 夏至_年のうち最も夕方遅くまで明るく、夜が最も早く明ける。 季語にあるように、夏は〈短夜/みじかよ〉である。 夏の夜は、日中の暑さがおさまり冷んやりと涼しく、仄暗い夜空は恋人た...