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林晋哉 の新刊案内

新刊本

 

連載「親父の聞きたいお口のお咄し」を寄稿いただいている林真哉歯科医師の新刊『歯、口、咀しゃくの健康医学 口腔は体の中心』が4月7日にさくら舎から発刊されましたのでご紹介します。

歯、口、咀しゃくの健康医学 —口腔は体の中心—

ここまでわかった“噛むチカラ”、フレイル、認知症、糖尿病、肥満、癌などを予防し、健康寿命を延ばす「咀嚼の効用」。このことを、「口の健康」を主眼に、歯科医師の著者が、根拠となる出典文献を用いつつ、かみくだいた平易な文章で一般向けに解説した本です。

口は神業の器官

口は、大変面白く、不思議な器官です。口は、物を食べるだけではなく、攻撃をしたり、物を掴んだり、キスをしたりと、これほど多目的な器官は他の身体の器官にはありません。

また、食べることだけを見ても、おかず、ごはん、みそ汁と、たくさんの食べ物を口いっぱいに放り込み、“もぐもぐ”と咀嚼し、その中から食べ物に混じった髪の毛一本をより分けて出す。これこそが口の行う“神業”です。現代の科学の粋を集めたロボットでもこの振る舞いは出来ません。これほど口は凄い器官なのです。

咀嚼が脳を活性化する

口と手が、一番脳とつながる神経の数が多く、口で行う咀嚼は、脳に多くの情報刺激を与える行為です。咀嚼行為については、1997年にはすでに咀嚼研究の祖ともいえる窪田金次郎先生(当時、東京医科歯科大学教授)らによって、「誰も気づかなかった噛む効用:咀嚼のサイエンス」という本が日本咀嚼学会編として出版され、ガムを嚙んだ時、どの年代の人の脳も血流量が増え、年齢によらず咀嚼によって脳の活性化が起こるというデータが示されています。

その後、咀嚼研究はさらに進み、近年では意識した咀嚼回数や質の向上がより脳を活性化させ、特に高齢者で得やすいことも解っています。また、咀嚼によって、精神を落ち着かせ、安定させる、セロトニンの分泌を高めることなどもわかり、うつ病などの予防の可能性も示すものとなっています。このようなことから、近年、咀嚼の全身への影響に注目が集まってきています。

咀嚼が健康寿命を延ばす

現在、日本の平均寿命は女性では90歳に届こうというところまで延びていますが、死に至る前にある約10年間の「不健康期間」は縮まっていません。「不健康期間」は身体が脆弱化するフレイルに陥ることから始まると言えます。このフレイルは口腔機能の低下が第一の指標となることから、全身のフレイルと区別して「オーラル(口腔)フレイル」という分野を設け、口を衰えさせない取り組みが出てきました。

この取り組みにより、寝たきりだった方が歩いて行動できるようになり、要介護4→2まで下がった例もあります。日本の医療費の6割は、この「不健康期間」に費やされており、「口の健康」の回復・維持による「不健康期間」の短縮は、社会保障費の削減につながることになります。このように、口はカラダの中心であり、咀嚼の充実をはじめとした「口の健康」を保つことが「全ての健康」へと繋がるのです。

その他、「歯周病と全身との関係」、「インプラント」、「入れ歯」など世間の関心の高い項目について、分かりやすく解説されています。既存の歯科健康本とは、一味も二味も違った視点で書かれた「口腔医療」の本質と真摯に向き合った本です。

 

歯科医師/林晋哉 Shinya Hayashi

林歯科
〒 102-0093 千代田区平河町1-5-4 平河町154ビル3F
https://www.exajp.com/hayashi/

 

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