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研ナオコ

昭和歌謡_其の五十五

コロナ自粛の中、「イカレポンチな野郎」は誰だ⁉︎

『TOKYO見返り美人』

為政者の陶酔

ここ数回ほど、このコラムの書き出し、落語でいえば、本編のストーリーに入る前の〝枕〟に、コロナにまつわる「あんな話」「こんな話」を、ほぼ100%、憤懣やる方なきテンションでブチまけまくって……来た私でしたが、さすがに、もう嫌気が差しました。というより、なんとも馬鹿馬鹿しくなりました。

国民の、どれほどの割合の老若男女が【それ】を熱望したのか? 定かじゃないはずの「緊急事態宣言」……。アレをするな!! コレをするな!! アソコへ行くな!! ココへ行くな!! あちこち触るな!! 家族であっても、3密空間で飯を喰うな!! しゃべるな!! 嗚呼、もう、もう、うるせぇ~ったら、ありゃしない。

日本人は、世界のトップ級の【お利口さん】揃い!! 抜きん出た優等生国家であることが、コロナ騒動の【たった3ヶ月】によって、全世界に大いにPR出来たことでしょう。わが国の為政者どもは、都知事も含め、きちんと補償もしないくせに、要請という名の〝厳命〟を下すだけ。

われわれの側が、【勝手に】【良心的に】【自主的に】「自宅でじっとしている方がイイんじゃね?」と、【嫌々ながら】も粛々とお上の言いつけを守り、個々人それぞれの欲望を、ほぼすべてシャットアウト!! して、連日連夜、我慢に我慢を重ねた日常を送ってきたわけでしょうが、さ。
そんな庶民の苦悩を知ってか知らずか、その時その時の、あくまで〝気分〟で、「明日から宣言を解除します」と国民に発してみたり、「解除はするが、あなたたちの行動には、段階的ステップを設けさせていただきます」と都内の店々をランキングしてみたり。このランキング、都庁のどなたがこしらえたんでしょうかねぇ? いわゆるエロ風俗の〝職種〟……。ストリップ劇場は、まぁ、わかりますよぉ~。個室ビデオ店もね。でもヌードスタジオに、のぞき劇場ってさ。

ふうむ、私もかつて、歌舞伎町のコマ劇場の対面(トイメン)、ビルの地下にあった「覗き部屋」で、まぁ見事に、漫画に出てくるようなボッタクラレ「3万5千円ナリ!!」を経験しましたけれど、いつから〝あれ〟が劇場になったのか? それなりに18禁風俗には詳しい花園乱センセイは、思わず噴き出してしまいました。

しかし、それから何日か経て、ちょうど昨日(6月2日)、都内の感染者がふたたび〝ちょいと〟増えたらばネ。その報告を議会中に知らされた都知事は、本音か? パフォーマンスか? 大げさに仰け反った姿をカメラに映させて、あわてて「東京アラートを発令します!!」──に至ったとな。

手前の好きな感覚で、要請したり解除したり、ステップを1にしたり2にしたり、「油断すると、またステップ0に戻しますよ~」とかなんとか、レインボーブリッジを真っ赤なネオンに彩らせ、緊急アラートを発したり……、いやぁ、小池さん、絶好調ですなぁ。都民への発令を繰り返すうち、彼女の目付きが、ドラッグ患者がラリってる際の、高揚感&陶酔感たっぷりな〝あの〟感じに似てきたように? 私は感じます。ゾッとします。ふと、ナチスドイツのヒットラーが、群衆を前に演説する、有名な映像も脳裏をよぎります。

危険じゃねぇかなぁ、為政者が〝あの〟目付きをするようになったら。まだ、ぜんまい仕掛けの玩具のごとく、少しも自分の言葉を持たず、AI言語に等しい、わずかほども体温の感じぬ「演説」を、臆面もなく国民に発する、総理が、数倍も可愛く思えます。

嗚呼、しかし──、こんな非常時が、いつまで続くのでしょう? 一説には、来年は来年で、また別の新種のウイルスが世界中に蔓延するんですと。てことは、オリンピック開催どころの話じゃありません。緊急事態の【宣言】と【解除】が、不定期に繰り返され、見知らぬ誰かさんと接近するたびに、シューシューと消毒用スプレーをぶっかけまくる〝習慣〟が、冗談抜きに、この国の「新しい生活様式」にされてしまった、ようです。

イカレポンチ

「たった3ヶ月ほどでさ、すっかり日本は、イカレポンチな国になっちまったなぁ」

と、自宅のリビングでぼやきましたら、カミサンが「イカレポンチだなんて、そんなビックリするような死語を口にする、オツムの回路の方が、イカレポンチよ」と笑われました。

「♪~アイツ追いかけて来ない イカレポンチな野郎さ
街路樹を蹴とばせば ジョークで済むのに~♪」

しばらく忘れていた、さほど売れなかった【昭和歌謡】のワンフレーズが、ふいに私の口を突いて出ました。

理由は何なのか? いくら考えてもよく判らないのですが──、とにかく、研ナオコの38枚目のシングル曲『TOKYO見返り美人』(1986年7月21日発売/歌詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童)の、いかにも景気よくビートの効いたメロディが、イカレポンチという死語と共に、カミサンの耳に届きました。

「あら、ホント。イカレポンチが歌詞になってる(笑)!!でも、このロックっぽいリズムと曲調に、ぴったりハマっちゃうと、不思議と違和感ないわね」

カミサンは、ふむふむと深く何度も頷きました。この納得具合は、彼女にしては、じつに珍しいことで、いささかならず私も、たまげたほどでした。

この楽曲、じつは「昭和歌謡の会」を始めるまで、メロディはおろか、タイトルすら、私は知りませんでした。研ナオコのヒット曲なら、『愚図』(1975年9月10日発売/作詞:阿木燿子&作曲:宇崎竜童)や『あばよ』(1976年10月10日発売/作詞&作曲:中島みゆき)、『かもめはかもめ』(1978年3月25日発売/作詞&作曲:中島みゆき)ほか、一通り、毎回の会で常連客の皆さんに聴いていただいて来たはずでしたが、

ある時、そのお客人の1人、昔の物言いならオ×マ、今時は性同一性障害に該当する、当時30代半ば、某専門学校の講師が、

「乱先生(私の筆名、花園乱のこと)、アタシも研ナオコが大好きで、いつ、アタシが一番好きな曲を紹介してくれるか? 毎回毎回、ずーっと楽しみにして来たのに、とうとう我慢がし切れないから、アタシ、これから唄います!!」

宣言して1分後、みごとに朗々と、また〝こぶし〟をコロッコロ回しに回して熱唱してくれたのが、『TOKYO見返り美人』だったのです。

♪~シートベルトを外して 車を飛び出したなら
外は雨 こぬか雨 舗道が濡れてる
アイツ追いかけて来ない イカレポンチな野郎さ
街路樹を蹴とばせば ジョークで済むのに

買ってやったスーツを着て 売りつけてきた喧嘩腰で
でかい口 きくなんて そんなのアリかよ
フォグランプ点けたタクシー 萎れかかった花束を
振り回し止める前 言うことあるだろ

いい女だったと きっと後悔する
振り向かせてみな 私はTOKYO見返り美人~♪

(中略)

めでたいはずのバースディ まるまる空けたシャンペンも
ムカついちゃ ザマはない 足許 ふらつく
スタンバってる微笑(ほほえみ)が 雨の雫で流れてく
早くしな 声かける 最後のチャンスさ

いい女だったと みんなあとから言う
そいつが小癪(こしゃく)な 私はTOKYO見返り美人~♪

ふうむ、悔しさがこみ上げてくるほど、一発で私は、この楽曲を気に入ってしまいました。どうして俺は、こんなベリグー!! な研ナオコのナンバーを、今まで知らずに来てしまったのだろう? それこそ「いい歌謡曲だったときっと後悔」してしまったのです。

ちなみに、この歌詞には、【イカレポンチ】と並んで、もう1つ、【シャンペン】という単語もインサートされています。死語ではないですけれど、通常、まぁ【シャンパン】でしょうね。その事実を、超売れっ子作詞家の阿木女史が、知らないはずがありません。つまり、わざと【シャンペン】という音の響きを、この作品の世界観に、もっと言うと主人公の女(の情動)に、フィットさせたわけです。〝そういう〟計算が働いたのでしょう。動物的勘ってヤツかもしれません。

とにかく、旦那の紡ぎ出す、けっこう〝ギンギンのロック〟調のメロディには、イカレポンチもシャンペンも必要!! いや、この単語があってこそ、研ナオコという個性あふれる歌い手が、『TOKYO見返り美人』を歌唱する意味も生まれる……わけです。

阿木&宇崎の夫婦コンビが、たとえば山口百恵に提供した楽曲は、数多くありますし、そのどれもが、『TOKYO見返り美人』より確実に売れたはずでしょうが、不思議なことに、ほんの数回、聴いただけで、カラオケBOXなどで、大声で唄いたくなる!! そんな衝動に駆られる作品は、1つもありません。

特に、♪~いい女だったと きっと後悔する 振り向かせてみな 私はTOKYO見返り美人~♪ の部分ですかね。コロナの話題一色で、嫌々、渋々の〝自宅幽閉〟は、すでに3ヶ月に至りますが、もう!! もう!! いい加減、大人も子供も、「やりたいこと」「したいこと」の我慢も限界ですよね。

私の場合、どこぞのお気に入りのカラオケスナックにて、性能の良いマイクを握りしめ、適量にエコーを効かせつつ、声量のボルテージを思いっきりMAXまで上昇させ、1日でも早く『TOKYO見返り美人』を唄いたい!!

……んですがね^^;。

でも、でも、……正直言うと、気持ちがまだ、巷の日常に、ジャストフィットしてくれないのです。ナサケナイことに。

「昭和歌謡の会」の主催者であるにも関わらず、会場である3密必至、ソーシャルディスタンスもへったくれもない、天井も低く、窓もなく、15人も入れば満席になるほど狭っ苦しい空間に、積極的に足を踏み入れる気には、現状どうしてもなれない!! んですよねぇ。

コロナ感染への恐怖? 警戒? まぁ、ミモフタモナク言ってしまえば、そういうことになるのでしょうか。

♪~(コロナ以前の日本が)いい時代だった みんなあとから言う
そいつが小癪な 私はTOKYO アラート(警告)気分~♪

前回、2週続けて紹介させていただいた、平成キッズたちの「替え歌」の歌詞の創作。私も負けじとチェレンジしてみましたが……。

ふん、下手糞め!! かたじけない^^;。

 

 

勝沼紳一 Shinichi Katsunuma

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