きものは
親爺の
武器である

体型が崩れれば崩れるほど
似合ってしまう稀有な衣服
体型が崩れれば崩れるほど
似合ってしまう稀有な衣服
高級スーツで
メタボ腹を
晒すなかれ

この腹を見よ、見事に霜降りとなった脂肪は伊達や酔狂では作れないのだ。
懸命に稼ぎ、女性とともに食を追求した者のみが持ちうるこの腹は、齢(よわい)を重ねるとともに凄みを益す。
そんな愛しき腹を世間はメタボなぞと吐(ぬ)かす、なんと無慈悲な言葉であろうか。
世は、やれアンチエイジングだ、若作りを目指せ、と喧(かまびす)しい。
経年を重ねた親爺の渋みという魅力は認められないのか。
いや、そんな筈はない、若者のつるりとした顔だけが男の魅力ではない筈だ。
若者にはない人生の年輪が刻まれた親爺の魅力というモノもあろうものだ。
当世、忌み嫌われるこの腹を、やさしく包み込んでくれるばかりか、大人の男の魅力として表現、はたまた幻想を醸し出してくれるもの。
体型が崩れれば崩れるほど似合ってしまい、洋服であれば短所でしかないこの体躯を、長所にまで変えてしまう稀有な衣服。
それこそが〝きもの〟である。
〝きもの〟には流行による大きなデザインの変化がない。
したがって着用年数が長く、たとえ高価なものを購入したとしても、すこぶるコストパフォーマンスがよろしい。
本当に良いもの、例えば〝親子三代〟と言われる「結城紬」などは大変丈夫で、大げさな話ではなく孫子の代にまで着用することができる。
貴君には
きもの という
強い味方がある
さらに女性とは違い、男の〝きもの〟は慣れれば数分で着ることができる。
女性の場合はその構造から、熟練者でも数分で着ることは物理的に不可能に近いが、
男性の場合、初心者でも馴れれば五分で着られるようになるのは簡単なことで、これについては保証できる。
そして一番肝心な部分、貴君に対する女性の評価、これが確実に五割増しになる。
その結果、あらゆる遊びのシーンでモテる.......筈である。
〝きもの〟とは親爺の遊び場における衣服(最強の戦闘服)であり、他のライバルたちに差をつけ、そして女性を攻略するための「武器」なのである。
折角のこの「武器」を使わぬ手はないではないか。
いざ誘わん貴君を「親爺きもの」の世界へと
